著/酒林ゆき~『バレンタインスターの傷』:バレンタインの贈り物

さて、今回で3年目になります。バレンタインの贈り物。


ハッピーバレンタイン♪


実は、今年は作成は無理かと今朝まで思っていました。
ですが、諦めかけたとき、やってきました!

また、星が降ってきたのです!
前回、前々回のバレンタインプレゼントを添付しておきます。

ご興味のある方は、どうぞこちらへ


2011年作成:
http://sosakushitu.at.webry.info/201102/article_11.html

2012年作成:
http://sosakushitu.at.webry.info/201202/article_11.html

2014年作成:
http://sosakushitu.at.webry.info/201402/article_1.html



それでは、
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『バレンタインスターの傷』   著/酒林ゆき



ここは、心の世界・・・・・・・・・



薄靄(もや)のかかった場所。

それなのに、目の前にいつものキッチンがある。

そして、そこには、あの箱が!



少しずつ靄(もや)が晴れ、部屋の窓から春の日差しが差し込んできた。


昨年にも現れたあの透け感のある美しい箱。

今回のカラーは、淡いブルー。

そして、まるで水面に落ちた波紋のように、箱の断面に変化をつけていた。

その波紋の向こうに何かが見える!

箱の中に何かが入っているようだ。


肌触りは、以前のものと同じようにしっとりと滑らかで、撫でた掌に心地よさが残るほど!



今回は、複雑な結びのリボンはなく、既に蓋が開いていた。

気になって、急いで中をのぞくと、球体の水晶が入っていた。


そっと、取り出してみる。

箱から取り出したその球体に春の日差しが差し込み、球体の中心にある亀裂が輝いた。

その傷は、球体を真っ二つにしてしまったのではないかと思うほど縦に走っていた。

大きな傷の周りに細かい傷もある。


それらの傷は、滑らかな球体の表面より中にあり、なんとも違和感を感じた。

滑らかさと鋭さ・・・。


そして、その傷は、自然光を受け美しく輝いている。

一つ一つの傷が、まるで、個性を持っているかのようだ!


その美しさに、思わずしばらくの時間見とれていた。


その光には、なんとも言えないあたたかさと、そして、よく分からないが切なさもまじっていた。

この美しい光の反射を作り出す傷は、どのようにデザインされて、

誰によって作られたのだろう?

そんなことを思いながら、見つめていた。

・・・・・

すると、
大きな亀裂から反射した光が室内の白いクロスに、何やら映し出した。


小さな女の子が、水晶の球体を大事そうに抱えて、一生懸命撫でているのだ。
とても悲しそうに、もう撫でることが慣れっこになっているように、その腕は機械的に動いていた。

この映像に映し出された女の子が持った球体にある傷は、まだ生々しかった。
球体の表面は、傷のところがざらざらしているようだった。

そのざらざらした表面を、女の子は、そっと、そっと、撫でていた。

すると、不思議なことに、
球体の表面の傷による凸凹がなくなり、つるんとした表面になっていくではないか。

それに、よく見ると、それは球体ではなく、微かに星形をしていた。
もしかしたら、撫で過ぎて星型が球体に近づいているのかもしれない。


ここまでの映像が流れた時、光の角度が変わったらしく突然白いクロスがあらわになった。



再び、キッチンに置かれた淡いブルーの箱の中に、その美しい輝きを放つ球体をしまった。

いったい、
あの映像はなんだったのだろうか?

あの女の子は、なぜ、あんなに大事そうに撫でていたのだろう?

そして、

あの傷は、なぜ、できてしまったのだろう?



そんなことを考えながら美しい箱の蓋を閉め、そっと抱きしめて頬を箱の上に乗せてみた。

なんと、しっとりとした滑らかな肌触りなのだろう!癒される。

その時、頬に光を感じた。

あの球体が、まだ、輝いていたのだ!

うっすらと透けている淡いブルーの美しい箱を通して、その光が見えた。

それぞれの傷が、それぞれの光を放っている。

傷と言えば悲しいことを連想しがちだが、そうだとは限らないらしい。

なぜなら、

この美しい輝きを目の当たりにすれば、わかるだろう!



バレンタインスター、君には傷がある。

でも、その傷は個性だ!

そして、傷による屈折でしか作りだせない輝きがある。


どうか、これからも、輝き続けてほしい。



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<<下書き第一弾>>

いつものように子供達を送りだし、
静かなリビングでウロウロしながら散らかったものを元に戻したり、整頓したりしていた。

そして、
動きながら、心の中でつぶやいてしまった。

「もう、バレンタインの日が来てしまったのに、何を書くかが決まっていない^_^;
今年は、書けないかもしれないなぁ・・・。
でも、
お友達になっていただいた方もたくさんいるし、お世話になっている方ももっと増えた。
そして、
日々感謝の気持ちで、幸せに過ごさせていただいていることをご報告したい方もいらっしゃる。

どうか、閃いて!」

と。



その後も、部屋の中をごそごそと片づけていた。
そんなとき突然、その衝撃はやってきた!

頭の中のイメージの世界で、亀裂の入った球体が浮かんでいる。

そして、
なぜか、涙が流れた。

急いでその感覚をイメージにしてみた。
まだこの段階では、文字にはならない。

頭の中に広がる空間に、ま~るい水晶が見えた。

その水晶は、たくさんの亀裂が入っていた。
その亀裂は、中心にある大きなものが一つ、小さなものが無数。

そして、
眺め始めてすぐ、何やら変化を始めた。

一つの大きな傷を、まるで水晶が覆うように包みながら、
球体の一部が膨らみ始めた。

そして、
5つの隆起が、ま~るい球体を星形にしたのだ。



驚いた!



バレンタインスターは、あの球体でできていたのだ。

この球体は、
私が子供の頃に、心の中で撫で続けていたものである。

家族の中で異質だった私は、
日常に起こる些細なことでこの球体に傷がついていくのを誰にも相談できなかった。
傷がつくたびに撫でることしかできなかったその頃の私。

ひたすら撫でていた。

撫で続けることしかできなかった。


・・・・・
なに!
そうではない!

子供の頃持っていたあれは、最初は星型だったのだ!
それが、撫で過ぎて球体になったのだ。

亀裂が入った衝撃でバラバラにはじけ飛ばないように、
亀裂が入るたびに撫で続け、周囲を丸めることで亀裂によってできた傷を包み込んでいったのだ。



そして、いつしか、この球体の存在さえなくなっていた。



そう・・・
あのドアのない部屋の中の箱の中にしまいこんでしまっただから。



今回やってきた星型の水晶、中心に大きく亀裂が入っている。
でも、まるでそれはデザインの一部のように、美しく輝いている。

部屋の外から差し込んできた光が、その亀裂を照らし、
角度により部屋のあちこちが輝いた。

そして・・・ある角度になったとき、大きく太い光がその傷から放たれた。

眩しくて手をかざした。

光がおさまり、そこを見れば、
なんだか不思議な細長いものが宙に浮いていた。

!なんと、昨年の宝箱の透け感にそっくりの剣だった。
今回のカラーは、淡いブルー。

眺めていると、「持つことはできないのだろうな!」と思ってしまうほど存在感がない。

右手を伸ばし、柄を握ってみた。
そこには、存在が確かにある!


歯を下に向け、上から吊るされたような恰好で宙に浮いている。



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